Aggregometerを用いた尿中高分子分画の蓚酸カルシウム結晶凝集阻止能

概要

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Aggregometerを用いて尿中の高分子分画における蓚酸カルシウム結晶凝集阻止能の検討をおこなった.著者らは今回、塩化カルシウムと蓚酸ナトリウムを反応させることによって出来る蓚酸カルシウム結晶が、aggregometerのスターラーを停止させることによって、形成された結晶の凝集に応じて混濁度が変化することを利用して蓚酸カルシウムの凝集阻止率を測定した.尿中高分子分画はPD-10を用いて脱塩および限外濾過(分子量5,000以下を除外)をおこない、Centriprep Concentratorを使用して3倍に濃縮し得られた.その結果、尿中の高分子分画の蓚酸カルシウム凝集阻止能は正常健康人に比較して結石患者では有意に低いことが認められたが、その阻止活性は尿中の蛋白量及びその他の結石関連物質との相関は示されなかった.また、正常健康人の24時間尿の濃縮後のゲル濾過による分析では、その活性のピークは分子量は約1万から2万と推定された.以上の結果から蓚酸カルシウム結晶の凝集阻止活性の低いことが結石発生の原因の一つとして重要であると考えられた.
社団法人日本泌尿器科学会の論文
1993-02-20