尿道スリング手術(Vesicaスリング法,TVT法)後のスリング材除去

元データ 2004-01-20 社団法人日本泌尿器科学会

概要

(目的) Vesicaスリング法,TVT法後のスリング材除去について検討した.(対象)女性腹圧性尿失禁でVesicaスリング法を施行した19名中7名,TVT法を施行した66名中2名,計9名がスリング材除去の対象となった.原因別にA群(Vesicaスリング法3ヵ月〜4年6ヵ月後に判明した膣壁びらん,4名),B群(Vesicaスリング法後の尿失禁再発で再手術の際に除去,3名),C群(TVT法後の長期尿閉,2名)の3群に分け,スリング材除去の状況,尿禁制について検討した.(結果)A群ではHemashieldを完全除去した3名で腹圧性尿失禁が再発し,部分切除した1名では尿禁制が保たれたが,2年後に再び膣壁びらんを起こした.B群はHemashieldの完全除去とTVT法の施行により,良好な経過と尿禁制を得た.C群はTVTテープ切断の1名で尿失禁が再発,テープ部分除去と再度のTVT法を選択した1名では,尿閉は解決し腹圧性尿失禁の再発もなかった.スリング材の剥離はA群では容易であったが,B群,C群では周囲組織と強固に癒着し,鉗子で把持して慎重に行う必要があった.(結論) Vesicaスリング法の膣壁びらんでは早期診断とスリング材の完全除去が推奨される.TVT法後の尿閉では,テープを部分除去し,尿道引き下げ操作(urethral pu11-down process ; UPDP)で過挙上を避けた形でTVT法を再施行することが,尿閉解除と尿禁制の双方を実現するための選択肢となりうる.

著者

加藤 久美子 名古屋第一赤十字病院女性泌尿器科
加藤 久美子 女性泌尿器科医の会
吉田 和彦 国立名古屋病院泌尿器科
吉田 和彦 名古屋第一赤十字病院 女性泌尿器科
鈴木 弘一 名古屋第一赤十字病院・泌尿器科
村瀬 達良 名古屋第一赤十字病院・泌尿器科
村瀬 達良 名古屋第一赤十字病院 女性泌尿器科
鈴木 弘一 名古屋第一赤十字病院 女性泌尿器科
平田 朝彦 名古屋第一赤十字病院 泌尿器科
平田 朝彦 碧南市民病院泌尿器科
加藤 久美子 名古屋第一赤十字病院
村瀬 達良 名古屋第一赤十字病院泌尿器科

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