オリーブ油に起因したTVT手術後の膀胱結石

元データ 2005-07-20 社団法人日本泌尿器科学会

概要

TVT (tension-free vaginal tape)手術は低侵襲の尿道スリング手術として女性腹圧性尿失禁の治療に新時代を画したが, 頻度は少ないものの合併症への注意は必要である.術後の膀胱結石の2例を報告する.(症例1)76歳女性.56歳時に子宮頸癌で子宮全摘.75歳から膣断端脱著明となり, リングペッサリー挿入後に腹圧性尿失禁が発症した.ADL低下を伴う性生活のない高齢者であったので, TVT手術と中央膣閉鎖術(Le Fort)を施行し, 尿失禁は自他覚的に消失した.術後6カ月から排尿後痛が出現し, 術後8カ月の膀胱鏡で小結石を認め除去した.(症例2)49歳女性.39歳時に子宮筋腫で子宮全摘を受け, 42歳から腹圧性尿失禁が始まった.TVT手術の施行で尿失禁は自他覚的に消失した.術後2カ月から排尿痛があり, 術後3カ月で膀胱鏡を行い小結石を除去した.両者とも術後1カ月の鎖使用膀胱尿道造影(chain CUG)で潤滑剤にオリーブ油を使用しており, 結石成分は脂肪酸カルシウムであった.(考察)TVT手術後の膀胱結石(脂肪酸カルシウム結石)を2例経験したが, 膀胱びらんを伴わずchain CUG時のオリーブ油使用に起因すると考えられた.尿失禁手術後に膀胱炎症状が継続する際は膀胱びらん, 膀胱結石の確認を要する.

著者

加藤 久美子 名古屋第一赤十字病院女性泌尿器科
加藤 久美子 女性泌尿器科医の会
鈴木 省治 名古屋第一赤十字病院
吉田 和彦 国立名古屋病院泌尿器科
吉田 和彦 名古屋第一赤十字病院 女性泌尿器科
鈴木 弘一 名古屋第一赤十字病院・泌尿器科
村瀬 達良 名古屋第一赤十字病院・泌尿器科
村瀬 達良 名古屋第一赤十字病院 女性泌尿器科
鈴木 弘一 名古屋第一赤十字病院 女性泌尿器科
平田 朝彦 名古屋第一赤十字病院 泌尿器科
平田 朝彦 碧南市民病院泌尿器科
加藤 久美子 名古屋第一赤十字病院
村瀬 達良 名古屋第一赤十字病院泌尿器科

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