上皮小体機能亢進症における組織型と細胞活性の関連性について
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概要
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上皮小体機能亢進症における組織形態と細胞活性との関係を,抗上皮小体ホルモン(PTH)抗体を用いた免疫組織化学的手法と,2-color flowcytometryで検討した.対象は,原発性上皮小体機能亢進症(PHPT)8例,二次性上皮小体機能亢進症(SHPT)13例の計21例である.2-color flowcytometryにおけるDNA ploidy patternの結果は,PHPTではすべてdiploidを示したのに対し,SHPTではdiploidが9例(69.2%),tetraploidが2例(15.4%),aneuploidが2例(15.4%)みられた.各々の細胞周期の細胞を個別に抽出(ソーティング)したdiploidの2c,4cピークの細胞の電子顕微鏡所見は,粗面小胞体の増加とゴルジ野の拡大がみられ,免疫染色では全体の細胞の染色度は一様に淡かった.また,aneuploidの異常ピークの細胞は,diploidの細胞に比べて分泌顆粒が多数みられた.一方,tetraploidとaneuploidの免疫染色所見は,濃く染まる細胞がみられた.これらの細胞は,分泌顆粒を多量に有し,細胞活性が高いものと考えられた.以上の2つの手法を用いた結果から,上皮小体の組織型と細胞活性との間には,強い関連があると推察された.
- 社団法人日本泌尿器科学会の論文
- 1992-11-20
著者
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