表在性膀胱腫瘍における組織血液型抗原の検討

概要

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表在性乳頭状膀胱腫瘍81例(血液型O型を除く)にSRCA法を施行し,次のような結果を得た.赤血球の付着率25%以上を陽性とすると,組織学的悪性度が高いものほどSRCAの陽性度は減少した.GIでは陽性が63%であるのに対し,GII,GIIIではそれぞれ陽性が40%と18%であり,GIとIIIの間に有意の差が認められた(p<0.025).膀胱保存手術を施行した60例についてSRCAと再発率の関係をみると,low gradeではSRCA陽性例と陰性例の再発率はそれぞれ21%(5/24)と100%(9/9)で両者の間に有意差が認められた(p<0.005).ところが,high gradeでは陽性例と陰性例の再発率はそれぞれ55%(6/11)と75%(12/16)と高く,大差がなかった.腫瘍の数でみると,単発例では陽性例と陰性例の再発率はそれぞれ15%(4/26)と82%(9/11)と大きな差がみられた(p<0.005).しかし,多発例では陽性例と陰性例の再発率はそれぞれ78%(7/9)と86%(12/14)で両者共に高かった.以上の結果よりSRCA法はlow grade及び単発例において再発を予測するのに有用な方法と考えられた.
1984-09-20