上部尿路平滑筋筋電図に及ぼすβ_1, β_2受容体刺激薬剤の効果

概要

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尿管蠕動がpacemakerに支配されており、且つ、そのpacemakerは腎孟の上部にある事は既に知られている。Goslingらは、腎杯近傍に周囲の細胞とは異なったcell activityの高いpacemakerらしき細胞集団の存在を示唆している。最近交感神経β受容体がβ_1とβ_2の2つのsubtypeに分類され、β_1は心刺激を主作用として心拍数、心収縮力を増すように働き、μは気管支等の平滑筋を弛緩させるように働くことが明らかにされるようになった。そこで上部尿路平滑筋にβ_1、β_2刺激を行って、pacemaker部位である腎孟上部とそれより以下の腎孟尿管の平滑筋としての特性を検討した。37℃酸素飽和Krebs-Ringer液中で摘出犬腎孟尿管を用い、腎孟内に同派を持続注入しながら腎孟尿管平滑筋筋電図を細胞外導出法により記録した。β_1刺激としてはDobutamineを、β_2刺激としてはTerbutalineを投与した。腎杯腎孟境界部の微小放電はβ_1刺激で著明に電位を高めたが、放電頻度は変化しないかむしろやや少なくなった。この放電はβ_2刺激で抑制されなかった。腎孟、尿管放電はβ_1刺激によって変化を受けず、β_2刺激で著明に抑制された。これらの事から、腎杯腎孟境界部は腎孟下部、尿管の平滑筋とはやや異なって、どちらかと言えば心臓のpacemakerに類似した筋組織の特性を有すると推察された。
社団法人日本泌尿器科学会の論文
1984-08-20

上部尿路平滑筋筋電図に及ぼすβ_1, β_2受容体刺激薬剤の効果

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