グラスアイオノマーセメントのフッ素徐放とセメント体の崩壊について
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概要
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本研究の目的は, グラスアイオノマーセメント(以下GICと略す)からのフッ素(以下Fと略す)の徐放とセメント体の崩壊との関連性を検討することである.実験材料として, 2種類のGICと1種類の光硬化型GICを用い, セメント練和から蒸留水に浸漬するまでの時間を接水開始時期とし, 同時期を5, 10および60分と変え, 2週間浸漬静置後, 蒸留水中に溶出したF, AlおよびSi量を測定した.接水開始時期が短いほどGICから放出されるF量は多く, AlやSiの溶出量により示されるセメント体の崩壊量も多かった.その影響は光硬化型のGICでは弱く, 崩壊量も少なかった.以上の結果から, 早期の接水では, Fの放出とGICの崩壊との関連性は強く, 晩期の接水や光硬化型のGICではFの放出は, GICのマトリックスからの拡散と関連していると推察された.
- 日本歯科理工学会の論文
- 1993-09-25
著者
-
小出 武
大阪歯科大学附属病院総合診療
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山賀 まり子
京都府立医科大学付属病院歯科
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小出 武
大阪歯科大学小児歯科学講座
-
小出 武
大阪歯科大学 総合診療部診療科
-
稗田 豊治
大阪歯科大学保存学教室
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山賀 まり子
大阪歯科大学小児歯科学講座
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稗田 豊治
大阪歯科大学小児歯科学講座
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