歯科用シアノアクリレートセメント"FH"の接着耐久性改善に関する研究
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概要
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前報において, α-シアノアクリレートセメント"FH"の諸物性について報告したが, その物性には優れたものがあった.しかし, 接着耐久性に問題が残されていた.そこで, 基本成分であるエチルシアノアクリレートを耐水性がより高いイソブチルシアノアクリレートに変えることと, ポリメチルメタクリレートを添加することで, 他の物性を低下させることなく接着耐久性をかなり向上させることができた.また, キャタリストを増量し, 硬化時間を早めることでも接着耐久性を向上させることができたが, その効率は基本成分を変えた場合ほど高いものではなかった.この改良セメントを裏層用として使用するために, X線造影性を有する硫酸バリウムを35%加えたセメントでは, 接着性の低下はほとんどみられなかったが, 圧縮強さはほぼ1/2に低下した.
- 日本歯科理工学会の論文
- 1991-07-25
著者
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大八木 薫博
株式会社ニッシン
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大八木 薫博
株式会社ニッシン研究開発室
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野口 八九重
元奥羽大学歯学部
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赤間 ゆかり
奥羽大学歯学部歯科理工学講座
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野口 八九重
奥羽大学歯学部歯科理工学講座
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佐藤 正孝
奥羽大学歯学部歯科理工学講座
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