パートタイム雇用をめぐるDGBの議論 : 経済復興期から高度経済成長期まで
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概要
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本稿の目的は,ドイツ労働組合のナショナルセンターであるドイツ労働組合総同盟(DGB)を分析対象として,雇用の女性化や多様化が開始する戦後の経済復興期から高度成長期におけるDGBのパートタイムに関する議論を含めた労働時間に関する政策を,DGB本体とDGB女性部との対比において分析することである。パートタイマーという極めてジェンダー化されている非正規雇用者をめぐる労働組合の内部の議論を分析した結果,当該時期においては,DGB女性部とDGB本体は,時短並びにパートタイム導入に関して,若干の対応のずれはあるものの,基本的には見解の相違は見られない。DGB女性部がDGB本体と同様に,従来の性別分業観にのっとって既婚女性への対応をしている限りにおいては,DGB本体との間で対立は表面化しなかった。DGB女性部も家族的責任は女性にあるという位置付けで,性別分業観を内面化し,従来のジェンダー関係を変革していこうとする発想はDGB女性部にも希薄だった。
- 2004-03-15
著者
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