ドライバーのあいまいな操作情報から走行状況を推定するヒューマンセンサの提案
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概要
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自動車の駆動系やシャシ系の制御を考えるとき、自動車メーカにとって最適な制御特性を実現するための制御戦略を決定することは容易なことではない。車両がどのような環境を走行しているかを認識することは、最適な制御戦略決定のため有益な情報となる。従来こうした走行環境の認識を考える方法論としては、C.C.D.カメラやその他のハードウェアデバイスを自動車に装着して外的情報を入手することが考えられた。しかし、この手法では自動車の価格を引き上げてしまう。そこで、上記のようなハードウェアの追加無くして、走行環境や車両の状態が検知できる手法が望まれていた。本論文では、ドライバーの操作から走行状況を認識するヒューマンセンサを提案した。ドライバーは彼等の目や耳で外的状況を知覚した結果としてハンドルやアクセルおよびブレーキなどを操作している。つまり、ドライバーは自動車にとってセンサと位置付けられる。よって、センサの出力であるハンドルやペダルの動きを解析することによって、ドライバーが知覚した対象を推定しようとした。しかし、こうした推定モデルの検討は、ドライバーの操作特性があいまいなため厳密に扱うことが難しい。そこで、ドライバーの操作から操作分布を考慮しながら、ファジィデータを生成し、ドライバーの運転操作をあいまいな量として扱った。さらに、このファジィデータにファジィ数量化理論第II類を適用することによって、走行状況を認識するための判別指標を生成した。本手法の適用例として、自動車のサスペンション制御への適用を検討し、その状況判別の効果を評価した。またドライバーの個々の操作特性に対する適応化についても検討した。
- 1992-12-15
著者
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