オブジェクトデータベースの経路存在制約とその応用

概要

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実世界データの入れ子構造を直接的に表現する複合オブジェクトの概念は、オブジェクト指向データベース(OODBMS)における最も重要な特徴の一つである。この概念を用いてデータベースのオブジェクトの間を「巡航」し、関連する情報を辿ることが出来る。この巡航の経路の概念はOODBの最も重要なものの一つであると言える。他方、一貫性制約はデータベースの重要な基本的概念の一つであるが、オブジェクトの巡航経路に関する一貫性制約の問題は、十分に検討されているとは言えない。W.KimらはOODBにおける一貫性制約として複合オブジェクトにおける存在従属性制約の概念を提案しているが、それは直感的な提案に留まっており十分な形式化はなされていない。本論文では、複合オブジェクトにおける存在従属性を形式的に議論する枠組みとして、経路存在従属性(Path Existence Dependency, PED)の概念を導入し、その基本的定義を行う。また与えられたPEDから新たなPEDを導出するための幾つかの推論則を挙げている。もた、PEDの具体的応用の可能性を示すため、CADにおける幾つかの例を示す。
1995-07-18