高血圧に対するSNP解析 : 高血圧感受性遺伝子の同定とテーラーメイド医療への応用(5. 高血圧の分子機序とテーラーメイド医療)(<特集>第68回日本循環器学会学術集会)
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概要
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2001年にヒトゲノムのドラフトシークエンスが発表されてから,すべての領域において疾病の遺伝子解析や遺伝的アプローチを用いた治療法の開発は急速に進展している感がある.本態性高血圧(EHT)もその一つで高血圧関連の国際誌には毎号,高血圧に関連する遺伝子多型や遺伝子座の報告がなされている.この背景にはわが国で3,000万人以上罹患者がいると考えられているように,高血圧がもっとも頻度の高い生活習慣病であり,さらに多くの高血庄患者は家族歴を有し遺伝の血庄の変化に対する寄与率は30〜50%あると推定されているからである.高血圧の原因遺伝子を同定することがもたらすインパクトははかりしれないものがあると考えられる.しかしながら,多因子疾患であるEHTには原因遺伝子が複数個存在する可能性が示唆されており肌現在報告されているものの多くは高血庄関連遺伝子多型である.とくに一塩基多型(single nucleotide polymorphisms: SNPs)はダイビングの容易さから注目されており,ポストゲノムの今.SNPsを解析することによって高血圧の発症を予測し治療薬の選択を行うテーラーメイド医療の確立に期待がかけられている.わが国でも2000年より5年計画で開始されたSNPsを用いた遺伝子解析計画,ミレニアム・ゲノムプロジェクト(MGP)がいよいよ大詰めを迎えている.この計画の最終的なゴールは癌,高血圧,糖尿病,痴呆,喘息のテーラーメイド医療の確立とゲノム創薬である.本稿では,国立循環器病センターにおいて進行中のMGPの一端であるわれわれの部門での高血圧感受性遺伝子に対するSNPs解析を中心に紹介し,高血圧のテーラーメイド医療の確立をテーマに概説する.
- 2004-09-28
著者
-
宮田 敏行
国立循環器病センター研究所
-
神出 計
大阪大学大学院医学系研究科老年・腎臓内科学
-
河野 雄平
国立循環器病センター内科高血圧腎臓部門
-
宮田 敏行
国立循環器病センター 臨床検査部臨床検査科
-
宮田 敏行
国立循環器病センター研究所病因部
-
神出 計
国立循環器病センター内科高血圧・腎臓部門
-
河野 雄平
国立循環器病センター高血圧腎臓内科
-
宮田 敏行
国立循環器病研究センター研究所分子病態部
-
河野 雄平
国立循環器病センター
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