出産後6ヵ月までの母親の身体活動と自覚疲労の推移
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本研究の目的は,出産後6ヵ月までの初・経産婦別の育児負担を明らかにすることである。対象は正常な新生児を出産した初・経産婦各5人で,生活習慣記録機ライフコーダによる身体活動(歩数,総消費量,運動量,活動時間分布),産業疲労研究会選定「自覚症状調査30項目」,自己申告による睡眠時間を縦断的に調査し分析した。その結果,平均歩数は初産婦4,718歩,経産婦6,431歩で出産後2ヵ月に有意差を認めた(p<.05)。平均総消費量は,初産婦1,739kcal, 経産婦1,804kcalであった。活動時間分布では,初産婦は強度0,経産婦はゆっくり歩行が主で,出産後1・2・4・6ヵ月時には有意差があった(p<.05)。平均睡眠時間は,初産婦5.9時間,経産婦5.6時間とほとんど差がなかった。しかし,疲労自覚症状の訴え数の平均は,初産婦8.2項目,経産婦5.9項目と初産婦が多く,出産後3ヵ月には有意差があった(p<.05)。以上から,初産婦の育児負担の特徴は不慣れな育児に伴う疲労感の蓄積であり,経産婦はゆっくり歩行を中心とした身体活動の多さであると考えられ,この特徴を考慮した育児支援を行うことが少子化対策につながるのではないかと考えられた。
- 日本母性衛生学会の論文
著者
-
國分 真佐代
聖隷クリストファー大学看護学部
-
國分 真佐代
聖隷クリストファー大学専攻科助産学特別専攻
-
國分 真佐代
聖隷クリストファー大学助産学専攻科
-
飯田 美代子
群馬県立県民健康科学大学
-
今井 理沙
春日井市民病院
関連論文
- 改訂版・育児日記の利用状況に関する実態調査
- 346 助産学実習における専任臨床指導者配置の効果 : 実習前後における学生の不安調査から(学生教育2 実習の評価(1),第49回日本母性衛生学会総会)
- 産褥早期の褥婦の身体活動・休息と主観的疲労感の関係--入院形態及び授乳形態による比較
- 262 乳児を持つ母親の養育意識・行動 : 初産婦と経産婦の比較(育児1 母親への育児支援,第49回日本母性衛生学会総会)
- 低出生体重児の育児における日記の有用性
- 出産後6か月間の母親の身体活動量の変化 : 初産婦と経産婦の比較
- 出産後4年間の1経産婦の身体活動量の推移
- P-161 事例にみる第二子出産後4年間の身体活動量の推移(Group48 産褥,ポスターセッション)
- O-137 第1子および第2子出産後6ヶ月間の身体活動量と自覚疲労の比較 : 2事例の継続調査より(Group25 産褥II,一般口演)
- 108 第2子出産後の有職母親の身体活動と自覚疲労および養育意識・態度との関連(妊娠、分娩、産褥20, 第46回 日本母性衛生学会総会 学術集会抄録集)
- 出産後2年間の母親の身体活動と自覚疲労および感情の変化
- 勤労女性の自覚疲労と身体活動 : 事務・製造職の調査から
- 127 3歳児を持つ母親の身体活動と自覚疲労(妊娠、分娩、産褥25)(第45回日本母性衛生学会総会学術集会)
- 126 出産後1年6ヶ月までの無職の母親の身体活動と自覚疲労の推移(妊娠、分娩、産褥25)(第45回日本母性衛生学会総会学術集会)
- 125 出産後1年6ヶ月までの有職の母親の身体活動と自覚疲労の推移(妊娠、分娩、産褥25)(第45回日本母性衛生学会総会学術集会)
- 124 1歳6ヶ月児をもつ母親の身体活動と自覚疲労(妊娠、分娩、産褥25)(第45回日本母性衛生学会総会学術集会)
- 033 妊娠中の経産婦の身体活動と自覚疲労の推移(妊娠、分娩、産褥7)(第45回日本母性衛生学会総会学術集会)
- 出産後6ヵ月までの母親の身体活動と自覚疲労の推移
- 死産を体験した母親の次の妊娠・出産に関する研究 : 母親の次子と死産児への気持ちや反応
- 初産婦の産育に関わる慣習の実行程度
- 助産師学生による出産準備学級への評価 : 『Let'sお産 家族でGo』を実施して
- 乳児を持つ母親の児に対する憎らしい感情に関する研究
- 在宅療養における日記使用の試み
- 100 極低出生体重児の母親の不安(妊娠、分娩、産褥18, 第46回 日本母性衛生学会総会 学術集会抄録集)
- 第1子および第2子出産後1年間の1母親の身体活動量と自覚疲労の比較
- 109 同一母親の第1子と第2子出産後1年間の身体活動と自覚疲労の比較(妊娠、分娩、産褥20, 第46回 日本母性衛生学会総会 学術集会抄録集)
- 119 出産後3ヶ月までの初産婦の不安の推移と要因(妊娠、分娩、産褥24)(第45回日本母性衛生学会総会学術集会)
- 「わたしの育児日記」利用者の育児に関する心配ごとと育児日記との関連