ウェーブレットを用いた高速カラー画像検索システムの構築

概要

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インターネットの急速な普及によって, 膨大な画像データベースに容易にアクセスできるようになった。これらの画像データベースから, ユーザーが必要とする画像を取り出す場合, いまはほとんどが画像のラベルによる検索に依存している。しかしながら, 画像のラベルに対する知識がないときは, 視覚的な情報からその画像を検索することが必要となる。そのような検索システムはいくつか開発されているが, まだ画像の類似度の理論に問題が残っている。本稿では, 膨大な画像データベースの中から, ユーザーが提示する曖昧な質問画像に類似した画像を効率よく照合検索するシステムの構築法を提案する。画像情報は冗長な成分を多く含んでいるので, なんらかの処理を用いて画像の特徴を抽出し, 照合する必要がある。最近, ワシントン大学のグループは, Haarウェーブレット非標準分解を用いて, 原画像と同等な高周波成分画像を構成し, さらに量子化して画像照合するシステムを開発した。しかしながら, このシステムは位置ずれに弱い高周波成分を直接照合しているため, 曖昧な質問画像を用いると照合精度が著しく劣化する。本稿では, Haarウェーブレットと正規直交スプラインウェーブレットを採用し, ウェーブレット分解として, 各解像度レベルにおける高周波成分が明確に現われる標準分解を用いる。さらに位置ずれの影響をなくすために高周波成分に対して離散フーリエ変換を施してスペクトル画像を作成し, 量子化することによって高精度の照合システムを構築する。
社団法人情報処理学会の論文
1997-09-24

ウェーブレットを用いた高速カラー画像検索システムの構築

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