インタフェース設計における返報志向の利用について
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概要
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近年のインタフェース設計の研究では, マルチメディア技術やAI技術を利用して, 取り扱う対象の機能や形態を直観的に理解しやすい形で表示・操作するための様々なデバイスや方式が提案されてきた. これらの技術では, インタフェースの前提として人とモノとの二者間インタラクションが想定されてきた. 一方, 人とコンピュータとのインタラクションにおいては, 人はモノ(コンピュータ)に対して, 人に対するのと同様の態度や行動を示すという疑似対人化傾向の存在が近年指摘されている[1][2]. しかし一般にインタラクションの背後には, インタラクションに関わるものによって形成される「社会」を想定することができる. 人と人の対人関係は, 人を取り巻く社会の中で起こるインタラクションに基づいて形成される. 同様に, 人とモノとの関係においても, 人とモノとそれを取り巻く社会の三者間のインタラクションとして考える必要がある. ここでは, コンピュータとそれを利用する人との間に形成される社会における三者間のインタラクションに着目する. そして, そこでの社会的インタラクションがインタフェース設計において考慮すべき重要な問題であることを指摘する. 特に社会的インタラクションの一つである「互恵性」を取り上げ, 人のコンピュータに対する返報志向を利用したインタフェース設計を提案する.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1997-09-24
著者
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