ホストから情報を収集するエージェントの構成に関する一考察

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近年のコンピュータネットワークの拡大は目覚しく, 多くの組織, 多くのネットワークの接続が全世界的に行われている. このネットワークの急激な巨大化に伴いネットワーク管理にかかるコストは増大の一途である. また, 管理の対象も物理的な構成機器や,ネットワークのみでなく, ネットワーク上で運営される各種サービスなどにも広がっており, もはや従来のように, 一部のエキスパートがネットワーク全体を管理することは非常に困難な状況になってきている. コンピュータネットワークの管理の手間を軽減し, 非熟練の管理者でも効率的なネットワーク管理を行えるようにするために, ネットワーク管理システムを導入する組織が増えている. これらのネットワーク管理システムを用いて管理を行うためには, 管理対象となるネットワーク機器から情報を取得することが必要である. ネットワーク上で動作するルータ, ハブなどの管理対象機器に対しては, 機器の情報を収集し, 設定を行う管理用エージェントが個々のベンダにより提供されている. 一方, ホスト計算機を管理対象としてとらえる場合, その用途によって見方が変ってくる上, それぞれの観点で管理する項目も非常に多岐にわたる. このため, ホスト上で動作する管理用エージェントは非常に多機能になる. 一部のホストではベンダが管理用エージェントを提供しているが, ベンダに特化した実装である上, その機能は十分とはいえない. マルチベンダ環境で統一的に使用できる多機能な管理用エージェントが提供されれば, ネットワーク中のホスト管理を容易にできる. しかしながら, ベンダの異なるホストでは情報の収集の貝体的手法も変ってくる上, 同一ベンダでもそのオペレーティングシステムのバージョンなどによって情報収集の機構が異なる場合があるため, マルチベンダ環境での管理用エージェントの構築は, 非常に困難である. 本稿では, ホストの持つ標準のコマンドを利用することで, ネットワーク管理のための情報を提供する管理用エージェントを容易に, 多種のホストに対応するように構築する手法について提案する.
一般社団法人情報処理学会の論文
1997-03-12

ホストから情報を収集するエージェントの構成に関する一考察

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