EDR辞書を利用した日本語の動作性名詞句の文法解析

概要

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日本語文の係り受け解析で, 係り先の曖昧性をもつ文構造の一例として, 動作性名詞句がある. ここで言う動作性名詞句とは, 動作性の名詞が含まれているもので, その名詞が係り受けの受け側になる名詞句である. 動作性の名詞とは, 対応する動詞をもつサ変名詞のように動詞的意味を持つ名詞のことである. 係り受け解析で格文法を用いた例はあるが, 動作性の名詞に格情報を適用したものは見ない. 動作性名詞の格フレームは, 対応する動詞のもつ格情報をある程度変形した形であるが, 受け継いでおり, 対応する動詞の格フレームを変換して求めることができる. そこで, 本論文では, 動作性の名詞を含む名詞句の係り受け解析をする際に, その名詞に対応する動詞の格情報を利用し, 係り受け解析の曖昧性を解消する実験をする. その方法は, EDR電子化辞書から,動作的な名詞であるサ変名詞とそれを含む例文, その名詞に対応する動詞の格情報を抽出する. そして, 動作性の名詞を含む名詞句を解析するときに, その名詞の格フレームを動詞の格情報から格変換ルールを規則として適用することにより得る. そして, その格情報を利用した係り受け解析を行う.
1997-03-12