拡張PDGを利用した最適ループ展開数算定法

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並列化技法の一手法として、ループを展開させるループアンローリング技法がある。ループアンローリングを行なうことは、同一ループのイタレーション間に含まれている並列性を抽出することが可能になり、その効果は大きい。しかし、展開数を重ねると、以下のような要因からループ実行効率の向上が飽和、または低下する。(1)イタレーション間の依存性により、並列性の抽出が阻害される。(2)ALUが有限であるため、並列実行が阻害される。(3)レジスタが有限であることにより、スピルコードが発生する。(4)過度なループ展開によるコードの増大により、キャッシュミスヒットを引き起こす。そこで、これらを解決するために最適に近い展開数を見切る必要がある。しかし従来は、ソースレベルでコンパイラが最適な展開数を見積ることができず、すべてのプログラムに対して、定数回の展開をおこなってきた。本稿では、プログラム中に存在する命令間の依存関係を表現できるようにPDG(Program Dependence Graph)を拡張した拡張PDGの実行のクリティカルパスとイタレーション間の依存といったプログラムの性質と、マシンリソースを考慮することによって効果的な展開数の見積りをおこなう方法を提案する。
一般社団法人情報処理学会の論文
1992-09-28

拡張PDGを利用した最適ループ展開数算定法

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