実行時命令再構成機構を用いた投機的例外復旧手法(<特集>21世紀のコンピュータセキュリティ技術)

概要

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計算機の高速化の主要な技術として命令レベルでの並列処理があげられる.その中でも, VLIWは高度の並列処理を実現するアーキテクチャとして期待が高い.VLIWによる処理では, 静的スケジューリングによる高い並列度を持ったオブジェクトコードの生成が必要とされるが, プログラムから並列性を高く引き出すためには, 命令の投機的実行を行い, 並列に実行可能な命令の数を増やすことが重要である.このため, 例外を起こす可能性のある命令の投機的実行を可能とする支援機構がいくつか提案されている.しかし, それらにはハードウェア制御を行うためにハードウェアの使用量が増大する, あるいは再実行の必要のない命令まで再実行するためにレジスタを多く必要としてしまうという問題点が存在する.本方式では, 投機的例外からの復旧処理コードをソフトウェアで動的に構成することでハードウェアの使用量が増大するという問題を解決する.また, 復旧処理コードの構成は, 命令の依存関係を探索し, マシン状態を元に戻すために必要な命令だけが選択されて行われる.これにより, レジスタの使用量が増大するという問題も解決される.
一般社団法人情報処理学会の論文
2001-08-15