数値演算ループの多次元展開技法

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プログラムのループ部分において、各繰返しを展開して条件ジャンプ命令を取り除く手法がある。この最適化を行うと、ループ制御に相当する条件判定とジャンプの命令が各繰り返しごとに省略されるだけでなく、ジャンプによる命令パイプライン分断が抑制される。特に、superscalar, VLIW等の命令レベル並列計算機での実行を考えた場合、繰返し間の制御依存が解消され、命令の繰返しを越えた移動が可能になり、並列度が大幅に高まる可能性がある。並列化の対象になるループが自由交換可能(fully permutable)な多重ループをなしている場合、基本的にはどのループを選んで展開してもよい。しかし、得られる並列化の効果は、対象となるループにかかわる繰返し間の依存関係および記憶データの再利用の関係により異なる。展開するループによっては、配列の参照が共通化でき、1回の展開当たりのメモリ参照命令の個数を減らして、命令実行ユニットが飽和するまでにより多くの繰返しを展開できるものもある。そこで今回の発表では、多重ループに存在する依存関係および記憶データの再利用の関係から、最適と思われる各ループの展開回数を見積る手法について述べる。以下の議論では、対象とする多重ループは自由交換可能であることを仮定する。
社団法人情報処理学会の論文
1994-09-20

数値演算ループの多次元展開技法

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