ノイズに強いオプティカルフローからの3次元復元方式
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概要
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オプティカルフローから3次元情報を復元する問題は、対象を1つの剛体に限れば復元方程式と呼ばれる非線形の方程式を解くことに帰着される。フローがノイズを含まない場合は、物体が特殊な形状でない限り、復元方程式は線形方程式に交換でき、各点の座標とフローから計算される3×3のある行列の最小固有値に対する固有ベクトルが、物体の並進速度ベクトルになる。しかし、フローがノイズを含む場合には、この線形方程式は元の復元方程式と等価ではなくなるので、正しい3次元情報を求めることはできない。田川の論文では、ノイズが各点各成分毎に平均10分散一定の確率分布に従うと仮定し、その上でノイズがない場合の線形方程式の行列を推定することによって、平均の意味で正しい並進速度ベクトルを求めていた。しかし、並進速度ベクトルを表す上記線形方程式の行列の最小固有値に対する固有ベクトルは、次章で示すようにそれを確率変数と見なしたときに大きな分散を持つ。それに比べると、最大固有値に対する固有ベクトルは安定している。そこで、本論文では最大固有値に対する固有ベクトルを用いた3次元情報復元手法を提案する。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1992-09-28
著者
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