分布系シミュレーションシステムDISTRANの並列計算機AP1OOOへの実装
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概要
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近年のデバイス技術の向上により、比較的安価で高性能なマイクロプロセッサを多数用いた並列計算機の実現が可能となってきた。だが計算機を専門としない一般の研究者にとって計算機を用いた数値計算は、プログラミングの複雑さ、解法の選択、結果の妥当性の評価などについて専門的な知識が必要であり、必ずしも容易ではない。さらに並列計算機上のプログラミングは逐次計算機上のそれに比べ、効率的なプログラムを作ることが難しく、その性能を引き出すことはさらに困難である。このような背景をもって作られたシステムがDISTRAN(DIstributed Systems TRANslator)である。DISTRANは、数値計算に関して専門的な知識のないユーザにも、複雑なプログラミングをすることなしに、信頼性の高いシミュレ一ションを提供することを目的としている。DISTRANは、時間に関して1階、空間に関して2階までの連立偏微分方程式で表される2次元分布系問題を所定の様式で記述することにより、並列計算機用のプログラムを自動生成する。DISTRANは数値計算のアルゴリズムとして陽解法を採用している。陽解法は他の解法と比べて計算量が多いという欠点はあるが、近接性、自律性、同時性を兼ね備えていることから並列化に適しており、その欠点は大規模並列計算機によって解決できる。DISTRANはすでに並列計算機MiPAXおよびTransputer上に実装されている。今回DISTRANを富士通研究所の並列計算磯AP1OOO上に実装した。本稿ではその実装法及びシステムの基本性能に関する評価について報告する。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1992-02-24
著者
-
鈴木 清弘
慶應義塾大学理工学部
-
朴 泰佑
慶應義塾大学理工学部
-
川合 敏雄
慶應義塾大学理工学部
-
川合 敏雄
慶応義塾大学理工学部
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細川 達己
慶應義塾大学理工学部
-
細川 達己
慶応大 理工
-
細川 達己
慶應義塾大学大学院理工学研究科
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