タンパク質の標準立体構造の高速生成法

概要

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タンパク質の分子は、剛体とみなせる少数の原子からなる構造(ユニット)から構成されているとする。分子モデリング・システムでは、まず最初に、処理対象のタンパク質分子の3次元構造を内部データとして生成する必要がある。このためには、タンパク質分子のX線結晶構造解析によるデータを使用するが、分解能不足のため水素原子が欠落していて、分子内の原子結合距離・結合角も誤差を含んでいる。そこで、低分子の研究結果に基づいた標準的な原子結合距離・結合角をもつユニット(標準ユニット)を要素として連結し、X線結晶構造に類似した構造(標準立体構造)を生成することが必要となる。この問題を、原子位置を変数とする最小2乗問題として考えると、多変数最適化問題となる。我われは、こん近似解法として、以前に、ユニットの毎のマッチングにより、標準ユニットを次々に続結してタンパク質の標準構造を生成する方法を提案した。今回は、これをさらに良した、より効率の良い生成法について報する。
一般社団法人情報処理学会の論文
1992-02-24