モデルに基づく複合系システムの故障診断 : 診断法
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概要
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従来のエキスパートシステムによる専門家の経験的知識をルール化した故障診断法では,知識が完全でない場合にうまく動作しないという問題があった.症状から原因を導く診断ルールの形式で完璧な知識を構築するのは難しい上に,それを保守するのも困難である.そこで設計時の知識である装置のモデルに基づいて診断を行なう方法が提案されている.しかし,複写機のモデルは複雑で,電気回路の様に部品の動作規則と部品間の接続関係だけでは記述できない.そこで,我々はプロセス,媒体,部品の3つの概念からなるプロセスモデルを考案し,動作規則を属性間の因果関係で定義することにより複写機のモデルを記述した.モデルに基づく故障診断の一般的な特徴として,不完全な知識でも記述の範囲内では動作するという長所の半面で,計算の量が大きいという欠点が指摘されるが,ここに提案する本診断法では部品の信頼性と検査コストの両方を考慮することにより計算量をなるべく抑えながら可能性の高い候補を生成し,バランスの良い診断を行なうことができる.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1991-02-25
著者
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内藤 広志
キャノン(株)情報システム研究所知能工学研究部(キャノン(株)システムエンジニアリングセンター)
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柵木 孝一
キャノン(株)情報システム研究所知能工学研究部(キャノン(株)システムエンジニアリングセンター)
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吉瀬 隆
キャノン(株)情報システム研究所
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