制約論理型言語のOR並列実行
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概要
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現在、制約論理プログラミング(CLP,Constraint Logic Programming)の研究が、盛んに行われている。我々は、CLPの持つ制約機能によりPrologより宣言的な記述が可能となることに注目しているが、制約解消処理はProlog処理に比べて多大の計算時間を必要とする。一方、我々は、PrologのOR並列処理系の研究も行っているが、CLPのOR並列実行には、Prologと同様、(1)全解探索型問題:並列実行による高速化効果と、(2)単解探索型問題:横型探索時、最初に求まった解を採用した時点で他の探索パスを中止し、処理時間を削減する効果、を期待できる(図1)。そこでCLPのOR並列処理を試みた。この検討に際して、以下の方針を立てた。(1)推論エンジンのOR並列実行:CLPの並列実行には、制約解消処理の並列実行と推論エンジンの並列実行がある。文献3)では、有限集合を対象とした制約解消のOR並列処理を行う研究報告がある。本処理系では、先ず推論エンジンの並列実行を試行する。(2)制約解消処理とOR並列処理の独立した実現:独立に実現することにより、簡潔に処理系を作成する。(3)従来Prolog処理系の拡張機能として実現:従来処理系の上位互換性の保持、従来処理系からの移行の容易化のため、従来Prolog処理系の拡張機能として、制約機能とOR並列機能を実現する。これらの方針を満たすため、制約解消処理機能やOR並列実行制御機能をProlog処理系の組込述語(それぞれ、制約述語、並列述語という)として実現する方法を採った。また、CLPプログラムを解析して制約述語と並列述語を挿入し、Prologプログラムに変換するプリプロセッサを実現する。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1991-02-25
著者
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