ソフトウエア仕様記述におけるカテゴリ論の応用について
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概要
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ソフトウェア開発の要求分析段階において,対象となる実世界の情報構造を抽出するための作業としてデータモデリングがある.しかし実体関連モデルに代表される従来のデータモデルは,習熟するまでに時間を要する形式的仕様と比較して,そのグラフ構造により全ての人がシステム概観を直観的に把握できるという利点はあるものの,データの構造的側面の把握に重点が置かれているため,意味的側面の記述ができない,実現段階との連結度が低いなどの欠点がある.そこで本研究ではデータモデル中に厳密な数学的理論であるカテゴリ論に基づいた構成を導入することを試みる.カテゴリ論の普遍写像性や可換関係の記述を付加することにより,データ間の制約や関係を抽象的に記述する枠組を提供でき,形式性を伴った厳密な新しいモデルが構築できるさらにこの手法の導入により,データモデリングの段階でのプロトタイピングを支援するようなシステムの構築も可能であると思われるので,本稿ではその概観についても述べる.
- 1994-09-20
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