ストリームに基づいた意味記述方式によるインタプリタの記述

概要

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言語処理における意味は静的意味と動的意味に大きく分類することができる。静的意味は入力から出力への変換としてモデル化することが可能であり,コンパイラやフィルタ型のツールをその対象としている。これに対して動的な意味は,プログラムの動的な特性を記述するための枠組であり,インタープリタや言語指向環境,ユーザインタフェイスの記述などへの応用が可能である。このような言語処理系の動的意味の形式的な記述としては,プログラミング言語の意味論から発展した表示的意味に基づいた記述や,属性文法に基づいた記述など,さまざまな方式が試行されている。一般に,表示的意味に基づいた記述では,プログラムに対応して再帰的に定義される関数を合成することによって動的意味の定義を行なうが,このような方式では,生成された関数と解析木との対応や,実行状態の変化の履歴が一般に失われることや,実行時の構造と解析木等の構造とが乖離するため言語指向環境などの実現には不向きである。これに対して,属性文法はその定義が生成規則毎に与えられるため言語指向環境への適用にも有効である。ただし,一般に属性文法は有限個の属性を単一代入モデルで決定することにより意味処理を行なうことから,そのままでは動的な意味の記述に適用することはできない。このため,属性の書き換えを許る形での副作用を導入する方式や,ノード間でのイベントの送受信と属性の破壊的書き換えによって動的意味の記述を行なう方式などが研究されている。
社団法人情報処理学会の論文
1993-03-01

ストリームに基づいた意味記述方式によるインタプリタの記述

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