ミクセルが存在する場合の混合分布推定

概要

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一つのピクセル内部は一つの分類カテゴリが占有している(ピュアピクセル)というのが画像処理の通常の仮定である。しかしリモートセンシング画像のように、画像の解像度とカテゴリ領域の大きさが同程度の場合は、一つのピクセル内部に複数の分類カテゴリが存在することがある。このような場合そのピクセルは「ミクセル」と呼ばれる。ピュアピクセルのみの場合の分類では最尤法(ベイズ推定)などの手法が用いられるが、これらの手法ではすべてのピクセルはピュアピクセルとして分類される。しかしミクセルの存在により分類精度が悪化することがあるため、ミクセルによる影響を適切に評価する必要がある。そこで過去に提案された手法は、基本的には画像ヒストグラムの混合分布を一種のメンバーシップ関数とみなすものである。しかしこのような手法では原理的に、すべてのピクセルはミクセルと分類されてしまう。そこで本研究ではミクセル分布という新しい分布を導出し、ベイズ推定の枠組でミクセルを分類できる手法を提案する。このミクセル分布は、正規分布の苦手な裾の重い分布も表現できるという特徴を有する。すなわち、実際の分布では裾の重い分布が頻繁に観察されるため、その種の分布を苦手とする点が正規分布の限界であると言われてきた。しかし本研究で提案するミクセル分布は、分布の正規性およびいくつかの自然な仮定のみから導出されているにもかかわらず、裾の重い分布をも十分に表現できる能力を有している。
一般社団法人情報処理学会の論文
1995-09-20

ミクセルが存在する場合の混合分布推定

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