ハイパーカードを使用したプロトタイピング型要求支援環境

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現在、ソフトウェア仕様化工程のうち要求分析工程で最も問題になっている事は、システム要求者とシステム制作者の話合い不足や理解不足により、要求者にとって満足のいかないシステムができあがってしまうことである。その裏には、(1)システム要求者がシステムのハードウェア、ソフトウェアに対する知識を持っていない。(2)システム制作者が要求者のタスク,アプリケーション・ドメインについての知識をもっていない。といったやむを得ぬ事情も存在するが、ここで両者の歩み寄りが行われず、時間がないからといって充分な話合いを持たずにソフトウェア制作をはじめてしまうことは、結局は満足のいかないシステムを生み出してしまうことになってしまう。80年代に入って多くの議論がなされるようになったプロトタイピングという手法があり、前述した様な問題をユーザーに実際にプロトタイプを操作してもらうことによって解決していこう、という試みがなされているが、プロトタイピング制作自体コストと時間がかかってしまい、せっかくの利点を持ちながら敬遠されがちなのが現状である。本研究はこのプロトタイピングの概念に基づいて、その利点を生かしたままより手軽に制作することのできるモデルを考え、さらにそれを改良した形で、要求仕様段階での要求者と制作者の相互理解をサポートする環境を構築する、という狙いで行った。
一般社団法人情報処理学会の論文
1989-03-15

ハイパーカードを使用したプロトタイピング型要求支援環境

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