ワークステーションにおける高速プロトコル処理(0-copy architecture)の実装と性能評価
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概要
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近年物理スピードが100Mbps以上の通信速度を持つ高速LANが実現してきている。また、RISC技術などの進歩により、CPUの処理速度は飛躍的に向上してきている。しかし、ホストの通信性能は伸びてきておらず、End-to-Endでの通信では高速LANの通信速度の半分にも満たないスループットしか出せない。これに対し、旧来のデータとは質量共に異なる音声や画像などの時間的制約の厳しいバルクデータを扱うマルチメディア通信アプリケーションが増加しており、実際のスループットとして高い通信性能を持つワークステーション(WS)の出現が急務となってきている。通信性能が上がらない原因は、通信処理の中で主記憶装置上でのデータのコピー処理の部分にある。これらの処理に要する時間は通信処理全体の半分以上の時間を占めている。主記憶装置を構成するメモリの応答速度は数10nsec程度でCPUの速度に比べて極度に遅い上、CPUとメモリの速度差を吸収するキャッシュ機構も、大量で常に新しい通信データに対しては効果がほとんどないからである。海外でも同様の指摘があり、コピーを回避する方法が模索されている。本稿では、高速通信処理の障害となる問題を効果的に解決するために、WS内部で通信データのコピー処理を行なわない構造(0-copy architecture)を提案する。また、SVR4のUNIX WSでの実装について説明する。本方式は市販WSのTCPレベルで220Mbpsの高いスループットを実現し、高速性を実証している。
- 社団法人情報処理学会の論文
- 1994-03-07
著者
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