「心理感覚モデル」の構築のための「同時関係分析法」の開発(その3)
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概要
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「同時関係分析法」は、感性工学的な発想に基づいて、モノの仕様と説明語や印象語、あるいは、説明語や印象語同士を、互いに翻訳できる「心理感覚モデル」の構築をするための新しい方法論である。基本的な原理は、いろいろな刺激について、自由申告された表現用語(説明語と印象語)に対して、「同じ刺激について、"同時に"申告された言葉の間には、"なんらかの"因果関係や相関関係がある」という仮説を設けて、この"なんらかの関係"を、計数的に評価する。たとえば、印象iとjについて、印象iが申告された刺激に対しては、印象jの一般的な割合を超えて、印象jが申告されている場合、印象iとjの間に、なにかの関係が想定できる。そこで、印象iが申告されたすべての刺激の中で、印象jが申告されている"条件付き"の割合〔p_<ij>/p_i〕から、すべての刺激に対する印象jの"一般的"な申告割合〔p_j〕を引けば、この値の大きさで、「iならばj (i→j)」の関係の確かさを評価できる。この結果が、「もし〜ならば〜」の形をした「心理感覚モデル」として利用できる。(1)r_<i→j>=max(p_<ij>/(p_i)-p_j,0)(i≠jのとき)前々報と前報では、印象の計測の「自由申告法」、同時関係の「仮説」、同時関係の「確かさの値」の計算方法、同時関係の「仮説の拡張」、同時関係の確かさの値の「統計的な下限値」、「SDデータ」への拡張、ベイズの定理の利用による「個人モデル」の構築と「データベースの更新」の方法などについて、その方法と手順を説明した。本報では、この方法論の体系化の一環として、これらに引き続いて、高次な心理感覚(印象)の"構造"を解明するために行った試みの結果を報告する。
- 1996-03-06
著者
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