Candida kefyrの菌体内β-Fructofuranosidaseの精製とその酵素的性質 : 酵母β-Fructofuranosidaseに関する研究 第2報
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概要
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Candida kefyrの菌体内β-fructofuranosidaseをタンニン酸による分別沈澱, DEAE-Sephadex A-50およびSE-Sephadex C-50によるクロマト法で, ほぼ単一な状態に分離し得た.この精製標品は, 粗抽出液に対し蛋白1mg当り約55倍, 炭水化物1mg当り約180倍の比活性を有する.イヌリン分解作用, 蔗糖分解作用, 蛋白区分および炭水化物の4つのピークは完全に一致している.酵素作用の最適pHは4.5,最適温度は約50℃である.pH3.0〜8.0の間で, また, 55℃以下ではかなり安定であるが, pH2以下およびpH8.5以上では著しく不安定であり, 65℃, 10分間の加熱でほぼ完全に失活する.この精製酵素は, イヌリンのみならず, 蔗糖をも分解する.熱, 酸, アルカリおよび尿素処理による両活性の失活比は, ほとんど一致している.硝酸銀および塩化第二水銀はそれぞれ, イヌリン分解作用および蔗糖分解作用の両者に対して, 同程度の阻害率を示す.しかし, フェニルヒドラジンやp-chloromercuribenzoateの両活性に対する阻害効果はかなり相違し, イヌリン分解作用が, はるかに顕著な阻害をうける.本酵素は, Saccharomyces cerevisiaeやCandida utilisのβ-fructoduranosidaseに比して, イヌリンに対する活性が極めて強い.イヌリンをほぼ完全に水解し, また従来のインベルターゼ製剤に比して, 無糖パン生地の初期醗酵促進効果が顕著である.精製酵素標品中には, アミラーゼやマルターゼ活性は検出されない.
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