小麦粉中の酵母インベルターゼ抽出因子
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概要
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酵母細胞に小麦粉の水抽出液を加えて, 一定条件でincubateすることにより, インベルターゼを能率よく抽出し得ることを知った. このインベルターゼ抽出因子は, 多くの小麦粉およびライ麦中に普遍的に含まれているが, その含量は品種によりかなり相異している. 小麦粉の漂白はインベルターゼ抽出効果にほとんど影響を与えない.本因子を小麦粉の水抽出液より, 硫安塩析, エチルアルコールによる沈殿, およびSE-Sephadex C-50のカラムクロマトグラフィーにより分離した. この精製因子は280nmに極大吸収を示し, 加熱により抽出効果が減退するが, 100℃, 10分間の加熱おいても, なお幾分その作用を保有している.本因子は, pH 3.0〜10.0の間では安定であるが , pH 2以下の酸性側およびpH 11.5以上のアルカリ側では不安定である.本抽出を適用した場合は, 従来の自己消化法および陽イオン性界面活性剤による抽出法に比し, インベルターゼ接取量も多く, また, 夾爽雑多糖類も僅少なことが認められた.
- 公益社団法人日本生物工学会の論文
- 1973-12-25
著者
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