Candida kefyrの菌体外β-Fructofuranosidaseの精製とその酵素的性質 : 酵母β-Fructofuranosidaseに関する研究(第3報)
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概要
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Candida kefyrの菌体外β-fructofuranosidaesをタンニン酸による分別沈殿, DEAE-Sephadex A-50およびSE-Sephadex C-50によるクロマト法で, ほぼ単一な状態に分離した. この精製標品は, 培養濾液に比し蛋白1mg当たり約29倍, 炭水化物1mg当たり約55倍の比活性を有する. クロマトグラフィーの挙動では, イヌリン分解作用, 蔗糖分解作用, 蛋白区分および炭水化物の4つのピークは完全に一致している.菌体外酵素の蔗糖, ラフィノースおよびイヌリンに対する作用力の比率は, 菌体内酵素のそれとほぼ等しいことが知られた. 両酵素とも, Saccharomyces cerevisiaeやCandida utilisのβ-fructofuranosidaseに比し, イヌリン分解力が特に顕著である. 上述の4酵素標品はいずれも, メレチトースには全く作用しない.菌体外, 菌体内酵素いずれもイヌリンを完全に分解し, その作用形成はほぼ同様なことが知られた. 菌体外, 菌体内イヌラーゼの最適pHはいずれも4.5であるが, 前者はpH 3以下の酸性側およびpH 8以上のアルカリ側では, 作用力がより微弱である.両酵素の作用-温度曲線はほぼ等しく, 最適温度はそれぞれ50℃である. また耐熱性に関しては, ほとんど差がみられない. 55℃以下ではかなり安定であるが, 65℃, 10分間の加熱でほぼ完全に失活する. 菌体外酵素は菌体内酵素に比し, pH 3以下の酸性側およびpH 9以上のアルカリ側で不安定であるが, 尿処理に対してはより安定なことが認められた.菌体外酵素も菌体内酵素と同様に, 硝酸銀, 塩化第二水銀, フェニルヒドラジンp-chloromercuribenzoateによって阻害されるが, 両酵素作用に対するこれら試薬の阻害率には, かなり顕著な差異がみれらた.
- 公益社団法人日本生物工学会の論文
- 1973-12-25
著者
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