不溶性サッカラーゼによる蔗糖の連続転化 : (II)不溶性サッカラーゼの尿素による分解と生成酵素の性質
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概要
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不溶性のサッカラーゼタンニン酸複合体を, 尿素と蔗糖共存の系でおだやかに処理する時は, サッカラーゼ分子が部分的な分解を受けて, その一部は水溶性となる.処理後の不溶性残渣および水溶性区分はいずれも酵素活性を保有し, 両者の活性を加算すれば, もとの活性より幾分高いことが判明した.尿素処理によって溶離された区分はタンニン酸が結合されており, pH 7附近に最適作用を示し, また, native酵素に比して耐熱性が低く, プロテアーゼ処理に対してかなり安定なことが認められる.この酵素を水で希釈してincubateするか, またはアルカリ側で処理すると, しだいに活性の増大する現象がみられる.定常に達した場合の最大活性はpHや希釈度に依存する.高度に希釈した場合およびpH 7〜9で処理した場合に活性化が最も顕著である.しかし, この酵素をアセトンで処理してタンニン酸区分を完全に除去したものは, このような活性増大の現象は全く見られない.また作用最適pH, 最適温度, 耐熱性, プロテアーゼ処理に対する安定性などは, nativeサッカラーゼとよく一致している.
- 公益社団法人日本生物工学会の論文
- 1972-03-25
著者
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