異なった光環境下で育てたウダイカンバ苗の光-光合成曲線
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概要
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しゃ光用中性フィルムで明るさを調整した条件下と, 光質調整用AG67フィルムで赤色光域(600〜700nm)を除き, フラッドランプ(300W)による間けつ照射(30秒明, 60秒暗)を各0,2,4時間/日くわえた条件下で, ウダイカンバのメバエを3か月間育て, 葉の光-光合成関係をくらべた。いずれの処理区で育った葉も, みかけの最大光合成速度, 光飽和点, 光補償点の低い, 陰葉の光合成特性を示した。この傾向は, 庇陰の強い処理区および間けつ照射時間の短い処理区でいちじるしかった。すなわち, ウダイカンバのメバエには, 弱光に対する適応能力が認められる。光質をかえない処理区および間けつ照射で赤色光を補光した処理区で育った葉では, 赤色光域を除去した光環境下での光合成速度が, 白色光下にくらべて低下した。これに対して, 赤色光域を欠くAG67フィルム間けつ照射0条件下の葉では, このような低下はみられなかった。このことは, ウダイカンバメバエの光合成の量子収率スペクトルが, 生育した光環境によって影響を受ける可能性を示す。
- 日本森林学会の論文
- 1986-01-25
著者
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丸山 温
Hokkaido Research Center Forestry And Forest Products Research Institute
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井上 敞雄
森林総合研究所森林環境部:(現)森林総合研究所九州支所
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井上 敞雄
林業試験場
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丸山 温
林業試験場
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森川 靖
林業試験場
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森川 靖
早稲田大学人間科学部
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