スギ幼齢木の根元曲り形成過程
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概要
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富山県立山町(標高300m)において, 1年生から7年生までのスギ林木の樹幹部位別傾幹幅を, 降雪前と, 翌年, 消雪直後から生長がほぼ休止する11月上旬まで, およそ10日おきに測定の結果, 次のようなことが明らかになった。1)傾いた樹幹下部における立ち直りの小さいことが根元曲りの原因である。2)雪によって倒伏した樹幹は, 根系を伴って根元から傾くとともに弾性歪, 弾性余効歪, 永久歪を生じている。3)早春, 樹幹が雪圧から解放されると, ただちに弾性歪は消失し, 弾性余効歪の減少が始まる。4)弾性余効歪の減少による立ち直りは, 4月下旬から5月上旬ころまでに完了し, アテ材を形成しながらの生長による樹幹の立ち直りがそれに続く。5)1年生, 2年生林木では, 生長に伴う樹体上部の重量増加も根元曲りの原因になると考えられる。
- 一般社団法人日本森林学会の論文
- 1985-01-25
著者
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