タテヤマスギの更新形態について
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概要
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ミズナラを中心とした落葉広葉樹の二次林内に生育しているタテヤマスギの更新形態について調査した。広葉樹林内に発生したスギの実生は電圧によって倒伏するが、光条件がよければ最終的に1本立ちの単幹の形態をとる。しかし、光条件が悪ければその成長過程において、被圧され雪によって倒伏しても立ち上がりが悪く、幹が埋幹しその部位から発根して伏条形態に変化していく。そして、それらの伏条個体の中の何本かは、林冠が破壊され明るくなったときに急速に立ち上がり上層木となるが、伏条のままとり残される個体もある。また、大径木の根元から発生した萌芽枝はその成長過程で実生と同じように倒伏し、伏条形態へと変化していく。また、樹幹上部から発生した萌芽枝の場合は雪によって下垂し、接地してから伏条形態へと変化していく。このようにスギの実生更新と伏条更新はたがいに補完しあいながらその生育地を拡大していくが、積雪環境や土壌条件および光環境によってスギの更新形態は大きく変化する。
- 日本森林学会の論文
- 1994-11-01
著者
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