相対幹形とその幹材積推定への利用に関する研究(VI) : 密度管理状態の異なるスギ同齢林の相対幹形と正形数

概要

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ある生育段階以降では相対幹形がほぼ一定にることを前報で述べたが, ここではこのような段階にある林分について, 相対幹形と正形数に対する密度管理の影響をとりあげる。資料は, いろいろな密度管理をしている地方の林分における伐倒木や立木の上部直径の測定結果である。次のことが明らかになった。(1)密度管理が似ている同一地方の林分間では, 相対幹形と正形数の差異は小さかった。(2)高い密度管理をするほど相対幹形のふくらみが増した。しかし, 極端に高い密度あるいは低い密度で管理された場合を除けば, 密度管理による相対幹形の差は意外に小さかった。(3)正形数のうちλ_<0.3h>とλ_<(1/3)h>の二つは, 密度や品種の違いによって平均的な相対幹形が著しく異なっている地方の間でも, その値はほとんど変わらなかった。(4)樹幹中央位置の相対直径, η_<0.5h>, と関連させて求めた相対幹形と正形数は, 密度, 品種, 地方などに関係なく, わが国のスギに広く適用できると考えられた。
一般社団法人日本森林学会の論文
1984-09-25