相対幹形とその幹材積推定への利用に関する研究(IX) : ビッターリッヒ法による林分材積推定における正形数の利用

概要

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スギ, ヒノキ, アカマツ, カラマツの多数の林分における伐倒木の測定結果を用いて, 林分の平均正形数の生育段階, 林分および樹種による変化を調べた。正形数がほぼ一定となるのはλ_<0.1h>とλ_<0.5h>では平均樹高10m以上の範囲であったが, λ_<(1/4)h>, λ_<0.3h>およびλ_<(1/3)h>では平均樹高5m以上の範囲であった。これらの平均樹高の範囲では, 樹種間の正形数の差異は小さかった。このため, 樹種区分をしたかった場合の林分間の変動係数は樹種区分をした場合にくらべてほとんど増加を示さず, どの正形数でも5%未満であった。四つの樹種すべての平均でλ_<0.5h>=1.00,λ_<0.3h>=0.70であった。これら二つの正形数を, ビッターリッヒ法による林分材積推定に利用した。λ_<0.3h>に関係した林分断面積G_<0.3h>の測定において少し偏りを生じたが, 結果は良好であった。これらの方法によると, 形数を推定する必要がないので, ビッターリッヒ法による林分材積推定が容易になる。ここに提示した二つの方法は, ともに実用上有効であるといえる。
一般社団法人日本森林学会の論文
1987-05-25