流出過程における不飽和水分流動の研究(III) : 数値計算による土壌水分プロフィールの推定
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概要
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林地における土壌水分の動態, 流出量の予測あるいはそれらに及ぼす植生の影響を定量的に把握するには, そこに生起する各種水文現象を基礎とした数値モデルが必要であると考えられる。そこで本報告では, 砂層モデルにおいて不飽和浸透方程式を数値的に解くことにより, 土壌水分プロフィールの経時変化を究明した。実験砂の物理特性のΨ-θ曲線とk-θ曲線は指数式で表現し, また蒸発量は, 砂層における水分移行の解析より臨界土壌水分量を見いだし, これを導入した含水量の関数として与えた。その結果, 計算プロフィールと浸透流出量はその実測値とよい一致を示し, この計算手法の有効性が認められた。また砂表層付近には, 土壌水分の上向きと下向き移行の境界面が存在し, それは経時的に下降すること, そのpF値は約1.8であることが知られた。さらにこれを林地に適用するには, 林地の蒸散量の推定および根域での水分移行に関する実証的研究を基礎とした、根系による吸水量の決定が不可欠であると推察された。
- 1980-03-25
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