流出過程における不飽和水分流動の研究(II) : 不飽和透水係数の推定
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概要
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不飽和土壌における水分流動を解析するとき, 不飽和透水係数に関する情報は不可欠である。そのため砂層における水分流動をテンシオメーターで追跡し, その動態を究明した。そしてInstantaneous profile methodに準拠して不飽和透水係数を決定し, さらにそれを簡便かつ精度よく推定する方法を検討した。この報告は4種の散水強度について, 砂表面からの蒸発を防止した砂層の流出過程を解析したものである。その結果, 動水勾配1.0以下, 水分張力80cmH_2O以下の湿潤な水分域では, 不飽和透水係数が含水率の関数として与えられた。またそれはK/K_S=a(θ/θ_S)^bの関数で表現された。ここでK_S, θ_Sはそれぞれ飽和透水係数, 飽和含水率である。これをすべての土壌に適用できる実験式にするには, 性質の異なる土壌を用いた実証的研究により, 定数の物理的意味を明確にしなければならない。しかしこの実験式はその簡便さと精度の面から, 不飽和土壌中の水分流動の解析に十分適用できると考えられた。
- 日本森林学会の論文
- 1978-08-25
著者
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