斜面ライシメーターにおける水分流動の研究
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概要
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不飽和状態で浸透降下する水分の運動方程式を, 土壌間隙に着目して細管における粘性流の理論より導いた。そして斜面ライシメーターにおいて雨水の土層における動態を定性的に考究しつつ浸透降下流の運動方程式を求め, 理論式の検証を行なった。また不飽和透水係数についても若干の考察を加えた。1.土壌を毛管の集合体とし, そこにPOISEUILLEの法則を適用し流出量と飽和度の関数関係を求め, 流出量は有効飽和度の3乗に比例するとしたIRMAYの理論を証明した。2.斜面ライシメーターにおける実験より得られた不飽和浸透降下流の運動方程式は, (11)式で示される。これにより流出量は有効飽和度の3乗に比例することが実証された。たお, (11)式の比例定数は透水性を示し, おもに有効粒径, 間隙率, 動水勾配, 毛管の屈曲度により決まると考えられた。3.DARCY則の適用が可能な範囲の不飽和流の透水係数は, 有効飽和度, 粒径分布, 間隙の構造に支配されることが推察された。
- 日本森林学会の論文
- 1975-08-25
著者
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