林分材積推定の新しい方法(IV) : ポイントサンプリングにおける別法
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概要
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本報ではポイントサンプリングからのha当り林分材積推定法を提案する。この方法は林面上においてランダムに選ばれた標本点から一致高をもつ周囲木それぞれに対してH(林分中の最大樹高より高い高さ)より小さい一様乱数を発生させて, この値より大きい一致高をシュピーゲルレラスコープによりカウントする方法である。この方法のha当り林分材積推定量yはk・H・[numerical formula]λ_j(k : 断面積定数, λ_j : 標本点が立木jの拡大樹幹領域に入れば1,さもなければ0をとる確率変数)で表わされ, その期待値と母分散はそれぞれha当り林分材積とk^2・H^2・[numerical formula]V_<ar>(λ_j)になる。この結果, 本法の母分散は前法に比して共分散項の分だけ減少し, より高い精度をもつことが理論的に確認された。実際に本法の精度を相対分散を指標として, シミュレーションによって検討したところ, 本法の相対分散とビッターリッヒ法のそれとの比は1.2〜3.2であり, 前法にくらべてかなり小さいことから, 本法が精度的にかなり有効であることが確認された。そして, その比は前報で示した近似式H/F・h^^-(F : 林分形数, h^^- : 平均樹高)でだいたい表わせることがわかった。また, これらのことは林地での検証においてもおおよそ実証された。
- 日本森林学会の論文
- 1980-11-25
著者
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