統計的決定理論による標準年伐量の決定
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概要
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不確実性のある木材価格の下でいかなる標準年伐量の組合せ(決定方式)が経営計画期間中の収益の損失を最小にするかといった問題について統計的決定理論にベイズ決定方式を援用しながら検討した。林業経営体としては天城営林署を選び, 伐採対象林分をスギ(Cryptomerica japonica D.DON)林とした。統計的決定理論における行動としては面積平分法と数式平分法ならびにカメラルタキセ法の三つの収穫規整法から出される標準年伐量を選び, 状態の指標として木材価格の変動率をとりあげ, それを三つに区分した。各状態と各行動に応じた損失表を作成し, 状態の予測については過去5年間の傾向変動から捉えることにしてそれらを三つの範囲に区分した。考えうるすべての決定方式に対しベイズ決定方式を援用し, 最小のリスクをもつ決定方式を求めた。その結果, 経験的確率を事前確率にした場合は決定方式d_<19>を, 事前確率を等確率にした場合は決定方式d_<25>をそれぞれ選択すればリスクを最小にもっていくことが期待された。次に木材価格変動率の時系列データの周期性に着目し, このようなパターンが経営期間中にも出現するとみなして事前確率をそのように定めた場合d_<27>の決定方式を選択すればリスクを最小にもっていけることが確認された。
- 日本森林学会の論文
- 1991-03-01
著者
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