形数の性質と林分材積推定への応用について(I)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
先端より幹長の1/10間隔ごとの直径をもとにして出された10個の形数(f_1〜f_<10>)を本数密度が異なるスギの3林分について計算したところ, いずれの林分でも形数の標本平均と標本分散および変動係数はf_1からf_8にかけてしだいに減少し, いったんf_8で最小になった後, f_9からf_<10>にかけて標本平均以外は逆に増加する傾向があり, 形数変化の規則性を暗示させた。林分間での標本分散ではf_l〜f_6とf_8に有意差がみられたが, f_7,f_9,f_<10>には差はみられなかった。標本平均ではf_7以外のすべての形数に有意差がみられた。各形数と樹幹の大きさ(樹高, 胸高直径, 断面積, 幹材積)との直線関係では, 全体的にその大きさはほとんど強く影響していないことが推察された。f_7は林分間に差がないので, これを込みにした場合の変動係数は6.3%とかなり落ちついた値を示す。そこで, これを一定と考え, これにプロットレスサンプリング(P.S法)の一般理論を適用すると, P.S法の場合, 根元から樹高の3/10の位置の直径をシュピーゲルレラスコープでカウントし, カウントされた木の樹高和にある定数を乗じたものが, 若干の誤差は持つものの1地点における林分材積推定値になりうることがわかった。
- 日本森林学会の論文
- 1978-03-25
著者
関連論文
- ワイブル分布と拡張ワイブル分布の適合性について
- 森林計画における森林諸機能の最適配分
- 早くて容易な森林調査法の発展
- カウントのみによる立木本数の推定法
- 新しい成長関数とそれに基づく平均量の成長式
- 統計的決定理論による標準年伐量の決定
- 単木生長モデルから誘導されたGOMPERTZ関数
- 直径分布に関する理論的検討(I) : ワイブル分布の形状パラメータと枯死率との関係および拡張ワイブル分布の誘導
- プロットレスサンプリングからの林分利用材積の推定について
- 林分材積推定の新しい方法(IV) : ポイントサンプリングにおける別法
- 林分材積推定の新しい方法(III) : ラインサンプリングの場合
- 林分材積推定の新しい方法(II) : 林分材積推定量の母分散と本法の精度
- 林分材積推定の新しい方法(I)
- 形数の性質と林分材積推定への応用について(I)
- 森林施業地域におけるサンプリングのあり方
- 樹幹における力学的条件と成長量の縦断的配分との関係-1-スギ造林木に関する解析
- 平均胸高直径および平均樹高に対する新たな成長式の適合性
- 形数の性質と林分材積推定への応用について-2-形数の経年変化について
- 森林施業研究会・森林計画学会合同シンポジウム「計画と施業を結ぶ」の討論報告
- 林齢を考慮した材積式による立木材積の推定について
- 距離計を用いた1回視準式測高器の試作