トドマツ苗木の秋伸び発生におけるサイトカイニンの役割について
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概要
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トドマツ苗木の秋伸び枝では, 秋伸び前の芽に比較して, キュウリ子葉の生物検定によるペーパークロマトグラフィーのRf0.1〜0.2,0.5〜0.7および0.8〜1.0(ゼアチンあるいはゼアチンリボシドに相当する)のサイトカイニン活性は増加し, またおもにRf0.8〜1.0にサイトカイニン活性を有する春の開芽時の芽とは, サイトカイニンの種類において異なっていた。サイトカイニン合成の場と考えられている根では, 6月16日から7月20日までおもにRf0.9〜1.0のサイトカイニンが多量に見られ, 8月30日ではほとんど見られなくなった。一方, 250と500ppmの6-ベンジルアデニンの苗木への散布は, 著しく秋伸びを促進し, 100ppmのα-ナフタレン酢酸と同様に500ppmのエスレルはそれを抑制した。これらの結果から, サイトカイニンは秋伸び促進に, オーキシンやエチレンは秋伸び抑制に重要な役割を有していると考えられる。
- 一般社団法人日本森林学会の論文
- 1979-05-25
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