トドマツの休眠に関する研究(III) : 休眠中の芽の生長物質の変化
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概要
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自発休眠中(10月15日)と他発休眠中(1月22日)のトドマツの芽を芽の原基体, 芽りんおよび芽の基部の枝とに分けて, そのオーキシン, ジベレリン様物質および生長抑制物質を調べた。自発休眠および他発休眠中の芽の各器官には多量の遊離の生長抑制物質があり, 自発休眠中の芽の原基体には三つの器官の中で最も多量の生長抑制物質があった。しかし, 自発休眠から他発休眠にかけて, 芽の原基体の遊離の生長抑制物質は減少し, 芽の各器官の結合体の生長抑制物質は著しく減少した。これらの事実から, 芽の各器官にある遊離の生長抑制物質は, 芽の休眠の維持に重要な役割を有し, またそれらにおける結合体の生長抑制物質の減少は, 自発休眠の打破と密接に関連していると考えられた。他発休眠中の芽では, 遊離のオーキシンおよびジベレリン様物質の増加は認められなかったが, 結合体のオーキシンは, 芽の原基体でわずかに増加した。
- 1977-11-25
著者
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