トドマツの休眠に関する研究(II) : 生長休止期の芽の原基体の培養
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概要
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芽の内部構造の変化からトドマツの自発休眠の開始時期を調べ, また1975年11月7日(自発休眠中)と12月22日(他発休眠中)に採取したトドマツの芽の原基体をα-ナフタレン酢酸(NAA)を添加したMS培地で無菌的に培養して, NAAに対する生長反応から休眠の深さを洞察しようと試みた。自発休眠は, 葉原基およびクラウンの完成後, 9月中旬に始まると考えられる。12月22日に採取した芽の原基体の葉原基は, 11月7日に採取したものより盛んに発達し, また11月7日より12月22日においては, より低濃度のNAAで葉原基は発達した。また, 培養した芽の原基体の軸長は, 低濃度のNAAにおいてわずかに大きかった。クラウンの下部の切り口面より発達したカルスは, 11月7日と12月22日の間でその形成において差は認められなかったが, 両区とも高い濃度のNAAにおいてよかった。培養の際, 他発休眠中の芽の原基体は自発休眠中のものより, 軸や葉原基の上部の細胞伸長の点で, NAAに対する反応が著しかった。
- 1976-11-25
著者
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