Winkelzahlprobeの確率論的解釋と不均質誤差について
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概要
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1. W.Z.P.の成立を確率論的に明らかにした。W.Z.P.は林木配置の偶然的な林分において, 単位面内におけるカウント数の平均についてのみ成立する。現実に得られるカウント数は, 必ずしもこの平均と一致せず, 両者の差として不均質誤差が発生する。2. 不均質誤差の大きさを知るために, ヒノキおよびスギ人工林について, その大きさを計算した。不均質誤差率は林分の状態によつて変化するが, 一般に断面積常数が大きいほど大きい。不均質誤差は表-1および表-2にみるように, 非常に大きな値を示す。3. W.Z.P.を標本調査に応用する場合の精度について考察した。この場合の母集団としては, 林分最大木に対する拡大円を単位面とする有限母集団が想定される。W.Z.P.による標本調査では, 抽出誤差の他に不均質誤差が同時に考慮されねばならない。この場合の総誤差は標本の大きさと共に急速に減少するが, 不均質誤差の一部は標本の大きさに無関係に最後まで残存する。総誤差率は標本の大きさを一定とすれば, 断面積常数が大きくなる程大きくなる。4. W.Z.P.を普通のプロットサンプリングと比較すると, 精度は明らかに劣る。ポイントサンプリングとW.Z.P.を比較すると, 前者は林分構造に無関係に適用される利点を有するが, 同一精度に対する標本の大きさが, 林分面積に無関係に定められる点に不利がある。
- 日本森林学会の論文
- 1961-04-25
著者
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